大判例

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高松高等裁判所 昭和27年(う)376号・昭27年(う)375号・昭27年(う)377号 判決

O弁護人の控訴趣意第二点、及びN弁護人の控訴趣意第一点について。

しかし原判決挙示の右各証拠に依ると被告人薪納直克は原判示第二旭丸が本件貨物を積載して北緯三〇度以南の沖縄座間味島からこれを密輸入する事情を諒知していたものと認定できるし又同被告人等に於て既らにこれら関税のある貨物につき関税逋脱の意図のあつたことも右証拠からこれを推認できるからかような意図のもとに貨物を積載した船を本邦領海内に乗入れ日本の沿岸にこれを陸上げする態勢をとつた以上敢て本邦内の港に入港し通関手続を経ずしてこれが陸上げに着手しなくとも関税逋脱罪の着手にあつたものと解するのが相当であり、本件は将にその未逐罪を構成するものと認められるからこれと同一の見解に出た原判決には所論のような違法はなく論旨は理由がない。

O弁護人大西夷中の控訴趣意第一点について。

所論は結局関税逋脱罪について被告人等にはその実行の着手がないと主張するのであるが既に説明した通り関税の支払を免れる目的を以て関税の定めのある貨物を日本の沿岸に陸上げする態勢で船を本邦の領海内に乗入れたときはその実行の着手があつたものであり敢てその船が本邦内の港に到着し通関手続を経ずしてこれが陸上ずに着手することを必要としないと解するを相当とし、本件の場合既に説明の通り被告人石場二夫は関税逋脱の目的を以て本件貨物を第二旭丸に積載し神戸港に陸上げする態勢のもとに本邦内室戸岬沖合を神戸港に向け進行中逮捕せられたものであることは記録上明かであり関税逋脱についてその実行の着手があつたものと認められるから被告人等(白石被告を除く)に関税逋脱罪の未逐罪を認定した原判決には所論のような違法はなく論旨は理由がない。

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